こんにちは。FXトレーダーの「なな」です。
本記事では相場分析に必ずと言っていいほど使われる「ダウ理論」の絶対に迷わない使い方について解説していきます。
わたしは現在、裁量トレードを卒業し、FX自動売買EAによるゆとりのある生活を送っています。無料EAを手に入れたい方はこちらの記事もご覧ください。
ダウ理論とは
これはどこを見てもすぐに出てくる内容ですが、一応説明していきますね。
ダウ理論は、アメリカの証券アナリストだったチャールズ・ダウさんという方が考えたチャート分析理論です。もともとは株の分析で使っていた理論らしいですが、FXでも通用するということで現在も多くのトレーダーに使われています。
100年以上前から使われているそうなので、すごい長い歴史ですね。それに「エリオット波動論」や「グランビルの法則」などFXは人の名前がつく手法が多いです。100年以上も長く多くのトレーダーに使われていることから、「ダウ理論」は相場を分析するうえで非常に有効な手法だと言えます。
ダウ理論の6つの法則
ダウ理論には6つの法則があり、内容としては以下になります。
②トレンドには3種類ある
③主要トレンドは3段階からなる
④平均は相互に確認されなければならない
⑤トレンドは出来高でも確認されなければならない
⑥トレンドは明確なシグナルが発生するまで継続する
簡単に①から⑥まで説明していきます
①平均価格はすべての事象を織り込む 重要度★★☆☆☆
各国の中央銀行の政策金利や、経済指標の発表といったファンダメンタルズ要因、またどこかの国で戦争が起こりそうだとか、そのようなすべての事象は即座にチャートに反映されているということです。
またチャートは人間心理によって形成されますので、例えば実際に戦争が起きる起きないにかかわらず、大多数が思った方向にチャートが動きます。
②トレンドには3種類ある 重要度★★★★☆
トレンドには大きく分けると3種類のトレンドがあります。
上記の上昇トレンドを例にしますが、まず大きな青の時間の流れがあります。これは長期足と呼ばれ主に「月足」や「週足」を指します。その中に中くらいの緑の時間の流れがあります。これは中期足と呼ばれ、「日足」や「4時間足」を指します。さらにその中に小さい赤の時間の流れがあります。これは短期足と呼ばれ、「15分足」や「5分足」を指します。
つまり、トレンドを長期・中期・短期とそれぞれのサイズをしっかりと意識し分析することが大事だということです。
大きな流れが上昇トレンドでも中期や短期の流れが下降トレンド、また大きな流れが下降トレンドでも中期や短期の流れが上昇トレンドの場合、大きな流れが上昇トレンドでも中期がレンジで短期が下降トレンドの場合など様々です。ですから、長期・中期・短期のトレンドを分析することで自分がどの時間軸のどの波を取りにいくのか、ということを考えることが非常に大事だといえます。
これが、様々な時間軸を分析する「マルチタイムフレーム分析」の考え方です。
長期・中期・短期をどの時間軸で分析するかに決まりはないので、自分のトレードスタイルによって好きな時間足に決めてみてください
ななの時間足は?
わたしは長期「日足」、中期「4時間or1時間足」、短期「5分足」でマルチタイムフレーム分析をしてます
③主要トレンドは3段階からなる 重要度★★★★☆
ひとつのトレンドの発生について、その相場状況が3段階に分けられるということです。
先行期は一部のトレーダーが買いを入れてくるところです。ここで買える人は神々の方だけなので、多くのトレーダーはまだまだ様子見をしているところです。
追随期は上昇トレンドが発生したことに気が付いたトレーダーが買いを入れてくるポイントです。どんどん参入者が増え、一番伸びやすいポイントです。
利食期はやっと上昇トレンドに気がついた遅れたトレーダーの買いを入れてくるポイントと、先行期・追随期で買いを入れていたトレーダーの利確ポイントです。
先行期・追随期で十分利益が取れたトレーダーの売りと、遅れて買ったトレーダーの損切り、また下げていることに気が付いたトレーダーの新規売りが入ることで、相場は下げていくことになり上昇トレンドは終了します。
一番伸びる「追随期」を取るにはダウ理論の⑥を理解する必要があるんだよ
あとで解説よろしく
④平均は相互に確認されなければならない 重要度★★★☆☆
これは簡単に言うと、「相関性のある通貨ペアを見ましょう」ということです。
つまり、ある通貨ペアに動きがあった場合、関連のある他の通貨ペアも動くよってことです。ですのでわたしはトレードする通貨ペアを選ぶときは通貨の強弱を見ています。今、相場を支配しているのはどの通貨なのか?を見極めることで優位性のあるトレード戦略を立てることができます。
わたしの通貨強弱の見方を説明します。
- ユーロ/ポンドを比較し、弱い方を決める ※例としてポンドが弱かったと仮定します
- ポンド/オージーを比較し、弱い方を決める
ここでオージーが弱かった場合は、この3通貨の中では ユーロ>ポンド>オージーと通貨の強弱が決まります。ポンドが弱かった場合はポンドの最弱が決定し、ユーロとオージーの決定戦になります。
ここでは3通貨の結果として、ユーロ>ポンド>オージーの強弱順だったと仮定します。
3. ドル/円を比較し、弱い方を決める ※例として円が弱かったとします。
4. 現状最弱のオージーと円を比較し、弱い方を決める
ここで円が弱かった場合は円の最弱が決定し、ユーロ>ポンド>オージー>円と通貨の強弱が決まります。
5. ユーロ/ドルを比較し、弱い方を決める
ここでドルが強かった場合はドルの最強が決定し、ドル>ユーロ>ポンド>オージー>円>と通貨の強弱が決まります。ドルが弱かった場合は、次のポンド/ドル、さらにオージ/ドルと比較していきドルがどこに入るかを見極めます。
今回は、ドル>ユーロ>ポンド>オージー>円>の順番で通貨強弱が決まったと仮定するとドル/円のロングを選択することが一番効率的と言えます。
どの時間軸で見てるの?
わたしは直近での動きを重視していますので、5分足で見ています
ただこれはあくまでトレードを検討する中での相場状況の確認ですので、これだけで勝てるほどFXは甘くありません。自分のエントリー根拠の補足として、現状の通貨強弱がどうなっているのか?を確認するくらいの気持ちで十分です。
⑤トレンドは出来高でも確認されなければならない 重要度★☆☆☆☆
これは出来高というのは、売買が成立した株数のことです。
上昇トレンドや下降トレンドが発生しているときは出来高(売買成立)も多くなるということですが、FXにおいては出来高(売買成立)での確認をすることは難しいため、この法則をFXに当てはめる必要はないと思います。ダウ理論はもともと株の分析で使っていた手法をFXに当てはめているので、仕方ないと言えます。
⑥トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する 重要度★★★★★
ここがダウ理論で最も大事なところです。
解説しますと、一度上昇トレンドや下降トレンドが発生した場合は明確な転換シグナルが発生するまで続くよってことです。
転換シグナルはどうやってわかるの?
それはチャートの値動きが教えてくれるんだよ
じゃー、まずはトレンドってどうなればトレンドが発生したことになるの?
ダウ理論の⑥を理解しトレードに活用するには、トレンドが発生していることに気が付かなければなりません。トレンドの発生は下図にて定義されます。
まず下降の流れがいったん終わり、①で安値を付けます。その後チャートは上昇していき高値②を付け、下降の最後の高値を切り上げます。次に押しが入り、押し安値の③を付けます。その後チャートは上昇していき②の高値を更新する④の位置以上で上昇トレンドが確定します。①→②→③→④とアルファベットのN字が描ければトレンドの完成です。
まず上昇の流れがいったん終わり、①で高値を付けます。その後チャートは下降していき安値②を付け、上昇の最後の安値を切り下げます。次に戻りが入り、戻り高値の③を付けます。その後チャートは下降していき②の安値を更新する④の位置以下で下降トレンドが確定します。①→②→③→④とアルファベットのN字が描ければトレンドの完成です。
こうして形成された上昇トレンドは安値を切り上げ、高値を切り上げ続ける限り上昇トレンドが継続し、下降トレンドは高値を切り下げ、安値も切り下げ続ける限り下降トレンドが継続します。
じゃーどうなるとトレンドは終わりなの?
はい、それが明確な転換シグナルが出たら終了ってことだから、その定義を解説するね
ダウ理論における明確な転換シグナルとは、
・下降トレンド・・・戻り高値を上回ったとき
上昇トレンドの終了は、直近高値④が押し安値③を下回った時点で一旦の上昇トレンドが終了したことになります。押し安値とは直近高値の直前の安値のことです。
下降トレンドの終了は、直近安値④が戻り高値③を上回った時点で一旦の下降トレンドが終了したことになります。戻り高値とは直近安値の直前の高値のことです。
これが上昇下降トレンドにおける明確な転換シグナルが発生したということになります。ただ一旦のトレンドが終了したということだけで、この時点ではトレンドが転換したわけではありません。その後の値動きによりトレンドが完全に転換されるのか、再度トレンドを形成していくのか、レンジになるのかは誰にもわかりませんので、その後の値動きを注意深く再度分析していくことになります。
そしてダウ理論の⑥が重要とされる最大に理由は、目線の固定ができるということです。上昇トレンドであれば押し安値を下回るまでは「買い目線」下降トレンドであれば戻り高値を上回るまでは「売り目線」とトレード戦略を決めれることが最大の強みと言えます。
でも実際のチャートを見ると、どこが押し安値でどこが戻り高値なのか分かりづらいんだよね
その答えを言う前に、上昇トレンド時の「押し」と下降トレンド時の「戻り」が発生する理由から解説するね
上昇トレンドにおいても、下降トレンドにおいても一方的に上がり続けたり下がり続けたりすることはありません。下図は上昇トレンド時のイメージですが、波を描きながら上昇していきます。上昇トレンドであれば、この一旦下がる波が「押し」になり、直近高値を付けた最後の波が「押し安値」になります。
そして波(押しや戻り)が発生する理由は、チャートは人間心理により形成されているからです。
上昇トレンドで波(押し)をつける理由
②そろそろ下がると思った天井売りを狙ったトレーダーの新規売り注文
③天井付近で遅れて買ってしまったトレーダーの損切りによる売り注文
④下がってきたのを見て飛び乗ってくるトレーダーの売り注文
この4つの理由により相場は一旦、波(押し)を付けることになりますが、上昇トレンド中のため下がったところは買いトレーダーの絶好の買い場となるため、結局相場は上げていくことになります。これの繰り返しが波(押し)を付けながら上昇をしていく理由です。
下降トレンドで波(戻し)をつける理由
②そろそろ上がると思った底売りを狙ったトレーダーの新規買い注文
③底付近で遅れて売ってしまったトレーダーの損切りによる買い注文
④上がってきたのを見て飛び乗ってくるトレーダーの買い注文
この4つの理由により相場は一旦、波(戻り)を付けることになりますが、下降トレンド中のため上がったところは売りトレーダーの絶好の売り場となるため、結局相場は下げていくことになります。これの繰り返しが波(戻り)を付けながら下降をしていく理由です。
それでは実際のチャートで「押し安値」と「戻り高値」を見てみましょう
図はユーロ/円の4時間足チャートです。高値と安値を切り上げ上昇トレンドが発生していますので、現状は直近高値Aを付けた押し安値を下回らなければ上昇トレンドが継続し、押し安値を下回れば一旦の上昇トレンドの終了となります。では直近高値Aを付けた押し安値は①か②どちらでしょうか?
問題は①の押し(波)に比べ②の押しは浅いため、ここを押しと見るかどうかです。チャートを見るトレーダーにより直近高値Aを付けた押し安値を①とするか②にするかでその後のトレード戦略は大きく変わってきてしまいます。ではどちらが正しいのでしょうか?
この答えに正解はありませんので、どちらでもかまいません
え?どっちでもいいの?
どちらでもいいけど、自分の基準を決めておくことが大事だよ
ななはどうやって判断してるの?
わたしは移動平均線MA20をチャートに表示させることで、押し安値と戻り高値を決めてるよ
それではチャートに移動平均線MA20を表示させてみます。※移動平均線はSMA
わたしはチャートに移動平均線MA20を表示させ、ローソク足の実体で移動平均線MA20を跨ぎ越しているかどうかで、押しと見るか見なさないかを決めています。
その基準でチャートを見ると①はローソク足の実体でしっかりと移動平均線MA20を跨ぎ越しているのに対し、②は押しが浅く移動平均線MA20を跨ぎ越していません。そのためわたしが決めた基準では直近高値Aに対する押し安値は①ということになり、押し安値①を下回るまでは目線を上に固定できるわけです。
それでは、もうひとつ見てみましょう。
図はポンド/ドルの4時間足チャートです。高値と安値を切り上げ上昇トレンドが発生していますので、現状は直近高値Aを付けた押し安値を下回らなければ上昇トレンドが継続し、押し安値を下回れば一旦の上昇トレンドの終了となります。では直近高値Aを付けた押し安値は①か②どちらでしょうか?
それでは移動平均線MA20をチャートに表示させてみます。
①と②の安値はともに移動平均線MA20をローソク実体で跨ぎ越しているため、この場合はどちらも「押し」 が入ったとみなすので、高値Aを付けた直近の「押し」②が押し安値となります。そのため押し安値②を下回るまでは目線を上に固定できるわけです。
それでは下降トレンドでも見てみましょう。
図はオージー/ドルの4時間足チャートです。高値と安値を切り下げ下降トレンドが発生していますので、現状は直近安値Aを付けた戻り高値を上回らなければ下降トレンドが継続し、戻り高値を上回れば一旦の下降トレンドの終了となります。では直近安値Aを付けた戻り高値は①か②どちらでしょうか?
それではこちらのチャートにも移動平均線MA20を表示させてみます。
その基準でチャートを見ると①はローソク足の実体でしっかりと移動平均線MA20を跨ぎ越しているのに対し、②は戻りが浅く移動平均線MA20にローソクのヒゲが触れているだけです。そのためわたしが決めた基準では直近安値Aに対する戻り高値は①ということになり、戻り高値①を上回るまでは目線を下に固定できるわけです。
それではもうひとつ見てみましょう。
図はユーロ/ドルの4時間足チャートです。高値と安値を切り下げ下降トレンドが発生していますので、現状は直近安値Aを付けた戻り高値を上回らなければ下降トレンドが継続し、戻り高値を上回れば一旦の下降トレンドの終了となります。では直近安値Aを付けた戻り高値は①②③のどれでしょうか?
それではこちらのチャートにも移動平均線MA20を表示させてみます。
その基準でチャートを見ると①は戻りが浅く移動平均線MA20にローソク足のヒゲが触れているだけですが、②はローソク足の実体で移動平均線MA20を跨ぎ越しています。③はローソク足のヒゲすら移動平均線MA20 に届いていません。そのためわたしが決めた基準では直近安値Aに対する戻り高値はと②いうことになり、戻り高値②を上回るまでは目線を下に固定できるわけです。
今回は4時間足を例にしましたがこの方法はどの時間足でも有効に使用できますので、このように基準を決めてしまえばどこを押し安値にするのか、戻り高値にするのかに迷うことがなくなりまので、今は買いなのか、売りなのか、明確に目線の固定をすることができます。大事なことは自分で決めた基準を守ることで、ブレないトレード戦略を立てることです。
以上、ダウ理論の6つの解説をさせていただきました。
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それでは、またね。 nana
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